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長野県看護大学
異文化看護国際研究センター
設立の趣旨
長野県看護大学は、国際的視野をもって活動し世界の看護学の発展に寄与できる人材を養成することを教育目標のひとつに掲げ、開学以来数多くの国際的活動を行ってきた。なかでも、2001年7月にサモア国立大学と交流協定を締結したことは特筆される。これは、本学が国際協力事業団(JICA)駒ヶ根青年海外協力隊訓練所に隣接し、双方が連携して国際協力活動ができるという立地条件に恵まれて実現した。協定書は、本学とサモア国立大学の学生・教員の交流を通し、日本とサモアの健康と看護に関る異文化理解を理論と実践、および研究の面から深めてゆくと謳っている。
また本学は、中国の前看護協会長・林 菊英博士、WHO看護部門首席科学官・ミリアム ハーシュフェルト博士等の、世界的に著名な看護やその隣接諸科学の研究者、実践家を基調講演者として招聘し、これまでに41回の国際学術フォーラムを開催した。さらに、本学の教員や学生による国際学術集会への参加も際立っている。例えば国際看護婦協会(ICN)では、1999年のロンドン大会、および2001年のコペンハーゲン大会において、長野県看護大学シンポジウムを開催した。また、1997年のICNバンクーバー大会および2001年のコペンハーゲン大会では、本学の学生が日本代表として学生大会で講演した。
研究面では、本学の教員とホンコン、タイ、スウェーデン、ノルウェー、英国、ブラジル等の研究者との共同で、看護の国際比較研究が行われており、その成果は随時、国際的な学術誌に発表されている。また、中国、米国、ノルウェー、デンマーク、スウェーデンから、看護研究者が日本学術振興会等の資金援助で来日し、短期、あるいは長期に本学に滞在して本学教員との国際共同研究を行っている。
これらの国際的活動は、看護と文化との密接な関係性を探究する機会を本学の教員と学生に提供するとともに、人々の健康と幸福に貢献する将来の優れた看護職者をめざす学生にとっては、豊かな学習経験となっている。
長野県看護大学異文化看護国際研究センター(International Research Center in Cross-Cultural Nursing, Nagano College of Nursing)は、本学の教員・学生のこのような体験と認識を背景に設立された。JICA駒ケ根青年海外協力隊訓練所といっそうの連携をとりつつ、異文化に着眼した看護活動をさらに発展させ、看護における文化を超えた普遍性と、異文化間の多様性を探究することを目標とする。そして、真の意味での国際化に向け、それらの多様性、および看護の本質としての普遍性を共有するための研究を行って世界に発信し、看護の学問体系のさらなる発展に寄与していくことを本センターの使命とする。
平成14年3月19日
長野県看護大学
学長 見藤隆子