開発のあゆみ
遠隔看護開発基盤研究プロジェクトは最新の情報通信インフラを活用した
遠隔看護機器及びシステムの開発を通じて、訪問看護ステーション等の機能の充実を図り、
在宅療養者と家族への質の高いサービスの提供と医療費の効率化・低減化に貢献することを目指しています。
2002年4月から始まったこのプロジェクトには本学の教員や大学院生だけでなく、
地元のIT企業、近隣自治体等も参加し、最先端の次世代携帯電話システムを用いた
世界最高水準の遠隔看護機器及びシステムの開発(システムの名称:遠隔ケアシステム「サラス」)が 文字通り産学官の連携のもとで進行しています。
2005年12月から本学と駒ヶ根市内の1組の高齢者夫妻宅をフレッツADSL回線で接続して試験運用を開始し、
ユーザーの満足度や機器の安定性等の情報収集と改善・改良を加えてきました。
2007
年4月から長野県阿南町社会福祉協議会の協力を得てより規模の大きい在宅高齢者の遠隔看護の臨床試験を開始し、2008年6月から本学と駒ヶ根市内の妊産婦宅をフレッツADSL回線で接続して
「遠隔妊産婦健診」の試験運用を開始しました。2008年12月から本学をフレッツADSL回線からひかり回線「Bフレッツ」に更新して
本システムの安定性を評価・検討してきました。2009年4月からASP型Web会議システムで国内シェアNo.1の(株)ブイキューブのシステムと
本学が開発してきた遠隔ケアシステム(サラス)を融合する研究を推進し、 2010年2月、クラウドコンピューティングの「Smart Webcare Salus」が完成しました。その後、タブレットPCやスマホとデータ共有する「Salus
Vision」へと進化しました。
2010年10月、「スーパーユビキタス・コミュニティサービスプロジェクト(Super Ubiquitous Community Services Project(略称:SUCOS Project)」 を立ち上げ、最先端のICT福祉タウンづくりに着手しました。
2011年7月から東京都八王子市の北原国際病院「医療のまちづくり」プロジェクトに参画し、都市部における「サラス」の利活用について探求しています。
2012年11月にはプロジェクトリーダー北山秋雄がサラスを商標登録(商標2012-096915)をしました。
2012年4月日本学術振興会科研費補助金基盤研究Aに採択され、2011.3.12長野県北部地震被災地栄村で「サラス」の利活用による総合生活支援に着手しています。
2013年7月から「限界集落」の点在する医療福祉過疎の長野県南信地域で地域医療再生のために「サラス」の利活用が計画され、2014年1月から「阿南町医療介護連携ネットワーク推進事業」として始動しました。いよいよ、世界を見据えた戦略「サラスワールド(Salus
World)」 の幕開けです。
併せて、本システムのビジネスモデルの確立も目指しています。この分野では本学が世界をリードする位置にあり、特許を出願(出願番号特願
2003-302676)して研究を進めています。
「遠隔看護学(telenursing)」または「遠隔ケア学(telecare)」という学問の創成も視野に入れた
「夢」のあるプロジェクトです。
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