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在宅療養者と家族のための移行期看護プロジェクト
1.在宅移行期における胃切除術後患者と家族の 看護ニーズの把握および移行期看護モデルの構築
<胃の手術をされた方とご家族のためのガイドブックを作成しました>
胃切除術を受けて退院をされた方とその介護をされているご家族の方を対象に、病院を退院されてから3ヶ月間の体の状態、心の状態、生活状況について調査を行いました。調査結果から、次のことがわかりました。
手術をされた方は食欲がない、胸がやける、下痢などの消化器症状があるだけでなく疲れやすさを感じていて、その対処に思考錯誤を繰り返して生活されていました。ご家族の方は毎日の食事づくりに大変さを感じ、ご本人の病状が一日でも早く回復して欲しいと案じておられ、ご家族自身も身体面精神面の疲れや不調の訴えがあることがわかりました。
これらの状況に対して、ご本人ご家族の方は援助が必要だと認識しておられましたが、実際の医療関係者からの支援は十分ではありませんでした。私たちは、ご本人とご家族の方への看護に少しでも役立つものを作りたいと私たちは考えました。そこで、「新しい生活をゆたかに過ごすための知恵袋―胃の手術をされた方とご家族のために―」を作成しました(非売品)。
経済面について退院後3ヶ月間調べたところ、退院後1ヶ月目は月収が減少していましたが、外来医療費は最も高く、ご家族の方も市販薬購入費の支出が高くなっており、退院後1ヶ月目の負担が大きいことがわかりました。
<医療機関の外科外来における看護支援の実態を調査しました>
胃の手術をされた方が病院を退院された後は、外来で診察を受けます。退院された後の症状や日常生活面の看護を外来で行なわれることが望まれます。そこで、病院外来での看護相談や指導の実状を調査しました。詳細は、長野県看護大学紀要 第8巻2006 「外科外来看護師の患者・家族に対する指導の実態調査」中村惠、唐澤由美子、縄秀志 他 をご覧下さい。
なお、この研究は学術振興会による科学研究費補助金(課題番号:15390674)によって行われました。