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終末期看護研究プロジェクト
リーダー: 渡辺みどり
1.プロジェクトの概要
本研究プロジェクトは、人がその人らしく生き、安らかな人生の終わりをむかえるためのサポートを、看護に課せられた重要な課題とし、その時々に求められる看護に焦点を当てて研究に取り組んでいます。
一人ひとりの人生に寄り添い、死を迎えるそのときまで自分らしく生きることができるように看護の立場からサポートすることをめざし、本プロジェクトは立ち上がりました。死を迎える人やその人に関わる家族や友人、看護職者・介護職者を対象に、幅広く関心をもち看護学の立場からケアやシステムのあり方を考えようとしています。
今年度は、現在進行中の「介護老人福祉施設における認知症高齢者と家族の終末期看護介入プログラムの開発」研究事業に加え、2つの研究を推進していくことになりました。
2.今年度活動計画
1)「介護老人福祉施設における認知症高齢者と家族の終末期看護介入プログラムの開発」(長野県看護大学特別研究費助成研究)
<面接調査の実施>
調査対象:昨年度の調査への協力施設のうち、面接調査に対して同意のあった施設。
調査内容:施設で実際に行っている、認知症高齢者への事前意思を尊重した終末期ケア取り組みの詳細。
調査方法:半構成的質問紙によるインタビュー。
これら調査活動から、わが国の介護老人福祉施設における終末期ケアの現状を把握し、認知症高齢者への事前意思を尊重した終末期ケアへの課題を明らかにします。さらにその結果から介護老人施設における認知症高齢者と家族への介入プログラムの開発をめざしていきます。
昨年度の成果は、2009年度の日本看護福祉学会(2演題)ならびに日本老年看護学会(1演題)において報告の予定です。
2)「介護保険施設の認知症高齢者の事前意思を尊重した終末期看護介入方法の開発」(科学研究費 基礎基盤研究C)
認知症高齢者へのよりよい終末期ケアの提供を目指し、終末期ケアに高齢者自身の意思を反映させるための具体的な看護方法を明らかにすることを目的とする。
<面接調査の実施>
全国の介護老人福祉施設の看護管理者を対象に、認知症高齢者の事前意思を尊重した終末期ケアの取り組み実態について聞き取り調査を行う。また、看護職の終末期ケアへの態度調査をあわせて行う。
調査対象:面接に対して協力同意の得られた介護老人福祉施設の看護管理者
調査内容:認知症高齢者への事前意思を尊重した終末期ケアの提供について、施設としての組織的な取り組みの実態ならびに援助の実際。
調査方法:半構成的面接調査。
質問紙による調査:ターミナルケア態度尺度日本語版(中井ら,2006)を使用。
3)グループホームにおける認知症高齢者への終末期ケア方略に関する研究(科学研究費 基礎基盤研究C)
全国の施設での終末期ケアの現状ならびに課題への取り組みの把握を目的に質問紙調査を行う。
先行究での結果をもとに、終末期ケア提供の現状と課題への取り組みに対する質問紙を作成。それぞれの施設へのアンケート調査を全国レベルで行い、施設の終末期ケア提供の現状ならびにそれぞれの施設が抱えている課題に対する取り組みの現状を把握する。
<質問紙調査の実施>
調査対象:全国の施設より無作為に抽出したグループホーム5000施設の管理者及び看護者。
調査内容:終末期ケアの実施状況。
調査方法:質問紙調査。先行研究で得られた結果をもとに、国内外の文献検討を行い、調査内容と項目を検討、質問紙を作成し調査を実施する。
今年度は以上の3事業を中心に研究活動を行う予定です。
※詳細についてのお問い合わせ、プロジェクトへの参加を希望される方は、下記までご連絡ください。 渡辺みどり:0265−81−5174 e-mail:mwatanabe@nagano-nurs.ac.jp |